歴ログ -世界史専門ブログ-

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消滅した10のグローバル・ブランド

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かつて一世を風靡したものの消滅の憂き目にあったブランド

コーポレートブランドは入れ替わりが非常に激しく、毎年新たなブランドが生まれては消えていきます。

 人知れずひっそりと消えていくものがほとんどですが、中にはグローバルブランドにまで成長しておきながら、ある時から突然姿を消したものもあります。

ということで、見たり聞いたことがあるけど実はもう存在しないブランドを集めました。

 

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19世紀の大都市を荒らしたストリート・ギャング

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19世紀に起こった大規模なストリート・ギャング抗争

田舎と都市とでは概して都市のほうが治安が悪いものです。

田舎はお互い顔見知りだから、何か粗相をしでかすとすぐに悪評がたってそこに住めなくなってしまう。だから治安は案外いい。

しかし都会は基本的に知らない人しかいないから、タガが外れるというか、凶暴性を抑制する規範や道徳が薄い。だから自分と異なるバックグラウンドを持つ人間同士の衝突が起こりやすくなる。

急速に都市化が進んだ地域に地方から大量に人が流れ込み、貧富の格差が広がり貧しい者同士で結束し相互扶助の組織が出来上がっていく。特に貧しい若者はその不満を暴力という形で解決しようとしがちで、例外もありますが、ストリート・ギャングの多くは概して地方出身か地方出身の親を持つ教育水準の低い貧しい若者であるケースが多いものです。

産業革命により急速に都市化が進んだ19世紀は、そのようなストリート・ギャングが猛威をふるった時代。今回はかなりマニアックですが、当時の人々を恐怖に陥れたギャング団をピックアップします。 

 

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なぜスターは国旗に用いられるのか

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自由と解放の象徴・五芒星

スターの意匠は世界の国旗でお馴染みです。

自由主義陣営のお膝元アメリカのみならず、社会主義陣営の大親分ソ連もスターが入っていたし、イスラム諸国にも入っています。

どういうわけか思想や宗教を超えてスターの意匠は人気があって、敵対する勢力が同じ意匠を使っても気にしない。もしかしたら気になっているのかもしれないけど、自ら取り下げることはしないほどの強いシンボル性があるようです。

今回は「象徴図像研究―動物と象徴(和光大学総合文化研究所 松枝到編)」より抜粋して、近代の「自由と解放」の象徴となっているスターの源泉を「フリーメイソン」思想から探っていきます。

 

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ベトナムの英雄たちの救国の歴史(後編)

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常に外敵と戦い続けた過酷なベトナムの歩み

 ベトナムの救国の英雄を軸に、異民族と戦い続けた過酷なベトナムの歴史を追っていきます。後編の今回は、三度のモンゴル軍の侵攻に向かい打ち、これを打ち破ったチャン・フン・ダオの活躍から、清とシャムを打ち破ったグエン・フエの活躍までを見ていきたいと思います。

 前編をご覧になりたい方はこちらよりどうぞ。

それではいきます。

 

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ベトナムの英雄たちの救国の歴史(前編)

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Credit: “Trận Bạch Đằng” của Nguyễn Cao Thượng

ベトナムの苛烈な抵抗の歴史

 ベトナムは今やASEANの経済発展の象徴的な存在。

勤勉で高い教育水準の国民が約1億人おり、中間層が著しく台頭。ベトナム共産党一党独裁の社会主義国ではありますが、硬直したイデオロギー主義は採らずに市場主義を容認し製造業・サービス業・クリエイティブ業も発展を続けています。

 現在は平和で安定的な国ですが、歴史上ベトナムは様々な外敵と戦い続けた血なまぐさい歴史を持ちます。

歴代の中国王朝、モンゴル、チャンパー、ラオ。

近代に入るとフランス、タイ。反日武装闘争、対フランス独立戦争、そしてアメリカとの総力戦。

 その歴史の中で、ベトナムは様々な愛国者・殉国者・烈男烈女を排出してきました。今回ご紹介する「ベトナム救国の英雄」たちは、廟が作られ祈祷の対象になったり、町の通りの名前になっていたりと、ベトナムでは日々の生活の中に溶け込んでいます。

ということで前後半でベトナムの英雄たちを通じて、ベトナムの抵抗の歩みを追っていく回です。

 

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ガセネタだった「歴史的大発見」

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歴史を揺るがす大発見!かと思いきや… 

アカデミックの世界で「ガセ」はつきものです。

「つきもの」って言っちゃあ本当はアカンのですが、小保方さんとかゴッド・ハンドとか黄禹錫とか、パッと思いつくだけでもいろいろやらかした人います。

なんでみんな騙されちゃうんだろうと思いますが、発見の衝撃が大きすぎてそれを事実と信じたい意識が働き、小事に目が届かずほら吹きが英雄と祭り上げられていく。そんなかんじでしょうか。

ガセネタは今に始まったことじゃない、というか今はむしろ減ってる方で、昔の発見はは大体ガセだったと思うんですが、その中でもとびきり奇妙なやつをHistory.comの記事より引用で紹介します。

 

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ヨーロッパに残るケルト人由来の地名

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Work by Feitscherg

現在のヨーロッパに多くに残るケルトの地名

大量の移民が中東やアフリカからやってきているので割合はよくわかりませんが、いわゆる「フランス人」の大部分はケルトの血を引くそうです。

フランスという国名は中世に西ヨーロッパを形作ったゲルマン系のフランク王国から来ていますが、支配層であるゲルマン人に先住のケルト人が溶解して現在のフランスが出来ていきました。

現在ケルトの文化を濃く残すのは、ウェールズ、スコットランド、アイルランドですが、古代はヨーロッパはおろかアナトリアにまでケルト人は拡散していったので、各地にケルト語由来の地名が残っています。

今回はケルト人の移動の歴史と、現在も残るケルトの地名を見ていきたいと思います。

 

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馴染みのない国々の「建国の父たち」

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世界の国々で「建国の父」として尊敬されている人たち 

そういえば、日本の「建国の父」って誰なんでしょうね。

人によって意見が違う気がします。

「聖徳太子!」って言う人もいるでしょうし、「伊藤博文!」だって言う人もいるかもしれない。

ひねくれものであれば、「マッカーサー!」なんて言うかもしれません。

ナショナリストだったら「神武天皇!」とか言うでしょうね。

日本はそこが左右とかイデオロギーに直接関連してくるのでスッキリした答えがないのですが、特に外国からの侵略や植民地支配から闘争を経て独立した国々は、誰も否定しようがない明確な「建国の父」が存在します。

中国の孫文、トルコのケマル・アタチュルク、インドのガンジー、アメリカのジョージ・ワシントン、韓国の李承晩…等々。

日本でも非常に有名な人たちはいますが、ではあまり馴染みのない国々の「建国の父」を大量に見てみよう、というのが本記事の趣旨でございます。

 

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