歴ログ -世界史専門ブログ-

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やってみたい?ウソのような世界のスポーツ

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 ナニソレと思う奇想天外なスポーツ

日本って全国各地に奇妙な祭りが多いですよね。

神様と相撲をとったり、大勢で袋や木の玉を奪い合ったり、木にまたがって崖から滑り降りたり。

世界にでも有数の奇抜さだと思うのですが、「スポーツ」にはあまり奇抜なものは少ない印象です。日本に「スポーツ」という概念が入ってくるのは明治以降なので、歴史の浅さもあるのかもしれません。

スポーツっていうと、ある程度ルールがしっかり決まっていて、あまり自由に改変することは許されないような印象がありますが、古代オリンピアから「スポーツ」が息づいているヨーロッパでは結構気軽にスポーツを作ってしまうようです。

ということで今回は、特にアメリカやヨーロッパのスポーツ文化の中で育まれた、とびきりクレイジーなやつを集めてみました。

 

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消失した古代ギリシア・ローマの重要書物

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発見されたら歴史を変えるかもしれない、昔に消失した重要書物

今でこそコピペで大量に文書が複製されネット上にバラまかれて問題になる時代ですが、昔は書物自体が高価で所有できるのは一部の金持ちのみだったし、書いても複製されて多くの人に読まれること自体が奇跡的なことでほとんどあり得ないことでした。

そのため、古人がその命を燃やして書いた多くの名作がもうすでに存在しないに違いないし、当時から著名だった人物が書いた書物ですら、結構な数消失してこの世から消え失せています。

その書物がもし現代の世に現れたら、どれだけのインパクトを世界にもたらすか計り知れない、すでに消失した重要書物をご紹介します。

 

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仏教の基本的な教えを再学習する

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 釈迦の教えをイチから学び直す

最近ほんとうにいいニュースがないです。

進む円高、増える国の借金、格差の拡大、地方の衰退、年金の崩壊、ブラック企業問題、AIに奪われる仕事、少子高齢化。

老いたヤクザ国・アメリカの混乱と、ブチ切れまくった若いヤクザ国・中国の台頭。

戦禍の続く中東と、そこから逃れた難民がヨーロッパでコンフリクトを起こす。

そして排外的な極右、耳あたりの良いポピュリズムの台頭。

次にいったい何が起こってしまうのか、みんな極度の不安の中で日々を過ごしていることと思います。まじで、どう転んでも悪い方向に行くようにしか思えない。

こんな時、どうするんだ?どうなるんだ?とオロオロするんではなく、一人一人が意志をしっかり持ち諸問題に対し善処し一個一個問題を解決していくしかないです。

一挙に問題を解決してくれるような英雄など現れません。英雄めいたことを言う奴ほど危険な存在はありません。

さて、そんな「個が強い意志」を持つための具体的な手法を教えてくれるのが、ぼく個人的には仏教ではないか?と思っています。

今一度、お釈迦様が説く教えを再学習して、混乱の世に耐えうる知恵があるか探してみようというのが本記事の趣旨でございます。

 

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地動説は信じない?奇妙で不思議な「地球のカタチ」

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地球は本当はどういうカタチをしているのか!?

我々の住む地球は球体をしていて、太陽を中心とする銀河系の一惑星であり、回転しながら太陽の周りを周回している。

これは常識中の常識です。小学生でも知っています。

でも、実際自分の目で地球が球体であることを見たわけじゃない。世界一周もしたことないし、ましてや宇宙行ったことないし、教科書に書いてあることが本当だって、確信をもって言えますでしょうか?

古代から現代まで、我々の住む世界がどんなカタチをしているのか、色んな人が想像を膨らませて色んな「宇宙論」をぶちあげてきました。

今回はそんな中で、とりわけ奇妙で興味深いものをピックアップしてみます。

 

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中国の伝統思想と共産党政権の関係

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社会主義を容易に受容できた中国の伝統思想

いわずもがなですが、共産主義やその手前の社会主義思想が作られたのはヨーロッパです。

マルクスはその著作の中で「高度に発達した資本主義はいつか必ず共産主義に到達する」と書きましたが、彼はそれを当時のイギリスを想定して書いていたのであって、すべての国・地域にあまねく適応できるとは限りません。

ところが実際に社会主義革命が起きた国の多くは、ロシア、東欧、中国、東南アジアなど高度な資本主義どころか工業化もサッパリなところばっかでした。

さて、中国は清王朝の崩壊から抗日戦争と内戦を経た後に社会主義国家となったわけですが、マルクスの言う「西欧流」の思想がそのまま当てはまったわけではありません。

服は西欧の借り物だったわけですが、その体は中国の伝統思想からなる文脈に根ざしていたのであって、ヨーロッパ思想を中国独自の思想に溶解させていたのでした。

 

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「楽園タヒチ」に欧米文明が流れ込んだ結果

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素朴な「楽園」が「文明」の波を受けて変化していく様子

 タヒチと聞くと、パッと「南国の楽園」のようなイメージを思い浮かべるのではないでしょうか?

コバルトブルーの海、水平線の彼方まで広がる空に浮かぶ雲、椰子の木の影、カラフルな花々、愉快で素朴な人々…。

かつてゴーギャンが愛した「高貴な未開の地」でバカンスを過ごそうと、各国から人が押し寄せています。先進国からのツーリストは快適さや豪華さ、サービスすら母国そのままを求めますから、要求が高いというか、虫がいいというか。

さてそんなタヒチはヨーロッパ人が到達するまで、複数の首長に統治された部族的な社会でした。武器が持ち込まれるようになると、ヨーロッパ人の力を背景にしたタヒチ人による中央集権体制が出来上がっていきますが、やがて野心的なフランスに取り込まれていきます。

 

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ジョヨボヨの予言とインドネシアの歴史

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Attribution:Tropenmuseum, part of the National Museum of World Cultures

預言者ジョヨボヨが語った「正義王ラト・アディル」伝説

インドネシアのジャワ島では、「ジョヨボヨの予言」というものが口承で長い間人々に受け継がれてきました。

ジョヨボヨとは、11世紀半ばのクディリ王朝の王ジョヨボヨのことで、彼がその後のジャワの未来を全て予言したという伝説。予言の中でジョヨボヨは、やがて乱れ狂った世が来るが、正義王ラト・アディルが現れて正義と繁栄の王国が現れると告げた、とされます。

以降、このジョヨボヨの正義王伝説に則って、それぞれの時代で自らを正義王と名乗る人物が現れて「世に正義を為すべく」行動を起こしていくことになります。

この思想は長い時間をかけてジャワ全域に、下層階級から王族まで幅広い階層の人が持つ共通文脈になっていきました。この正義思想がジャワおよびインドネシアの歴史に与えた影響について、民博特任教授の関本照夫氏の論文より抜粋してご紹介します。

 

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男女マークの成り立ち - あれは生殖器のシンボルではなかった!?

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実はアカデミックな由来を持つ男女のシンボル

街を歩いていてこの男女のシンボルマークを見たら、まあ、十中八九「そういうお店」に違いありません。

目立つし、シンボリックだし、すぐ気づきますよね。

ところでこの男女のシンボルマークの由来をご存知でしょうか?

なんとなく、「男女の生殖器をシンボル化したものでは?」とお思いじゃないでしょうか?

特に男なんてモロにソレやん。ぼくもそのように思っていたのですがどうも違うようです。その起源は古代ギリシアにまで遡ります。

 

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